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第二百十一言「AO受験の皆様へ『心を動かす内容はあなたの中にあります』(10月13日号 No.211)

ここ数日、納期が差し迫った AO受験生(高校生)が、毎晩のようにアドバイスを求めて連絡をしてきます。

 

HOPESの受験生の多くは、全日本トップレベルで活躍するスポーツ選手や、舞台に立つ俳優、バレエダンサー、といったように、勉強の他にもなにか軸を持った方たちです。これらの受験生は、練習と練習の合間にAO受験対策をするため、真夜中を過ぎてからの問い合わせ電話やメールは留まることがありません。

 

これらの意欲的な受験生に対し、HOPESの講師の多くは、24時間体制で無料サポートをしています。しかし、その体制に関わることなく、講師がどうしてもお断りしなければならないこともあります。

 

それは、「模範解答を下さい」というご依頼です。

 

この時期、多くのお子様、そしてその保護者たちは、志望理由書や小論文内容、面接での受け答えについて、正解があるなら先に見たいと思うようです。しかし、ここで明確にしておかなければならないことがあります。一般受験では、100人が100人、「正解」とされる答えを書くことで、合格率は高まります。なぜなら、そこに唯一の正解があるからです。一方、AO受験では、正解は、お子様一人ひとりのからだの中にあるのです。お子様が、これまでどのように生きてきたか、ご家族との関係がどのようなものであったか、どのような考え方をしているか、一本筋の通った理念は何か、体験してきたことは何か、といったものです。これら、お子様の中にあるものを引き出し、引き出したものを整理し、相手にわかりやすくお伝えすることで、大学側の心を捉え動かすことができるのです。

 

また、AOで合格するお子様は、人としてのバランスが取れている方です。提出する資格(英検や漢検といったもの)より、知識量も見られますし、添付資料からこれまでの何を達成してきたかも見られます。それに加え、志望理由書、小論文、面接、があるわけですから、その一部のみ、高い得点を得たとしても、他を頑張らなければ合格は難しいからです。

 

ここで、ある予備校のカリスマ校長がお教え下さった言葉を紹介します。この予備校は、神田で比較的小規模に展開していますが、国内では、1位、2位を争って、ハーバードやコロンビア、スタンフォードといったトップ大学大学院に合格者を出しています。以下がそのことばです。

 

「絶対に合格しないのは、過去合格した人のエッセイ(志望理由書)を丸写しする人だ!」

 

考えてみれば、当たりまえのことです。過去に合格した人の、文章の構成や発表の仕方をヒントにすることは構いませんが、丸写ししたとしても、それは他の人が長年かけて作り上げてきた「自分」という彫刻をあたかも、自分のもののように、提出するここと変わりがありません。これでは、合否がどうこう言う前に、その人の生き方自体に疑問の声があがるでしょう。

 

納期の迫った受験生の方、そして保護者の方へのアドバイスです。今、どうにかして「正解」を手にしたい気持ちは十分理解できます。しかし、他人が書いた模範解答を探す前に、受験生本人のからだの中にある体験や考え方を引き出すことに注力して下さい。情報が足りないなら、本を読んで下さい。疑問に思う時は人にあってインタビューして下さい。分からないことは調べて下さい。

 

そして、まだこの先AO受験をされる方は、沢山のものに触れ、感性を高め、問題意識を持っていきて下さい。けっしてお金をかける必要はありません。学校の行き帰りの電車から見える景色、学校の先生やお友達との会話、図書館にある本、それらの中に宝を一杯見出すことができます。

 

「その人にしか語れないもの」への糸口を見つけることが大切です。

 

HOPESは最後の最後まで皆さんを応援します。

 

野村るり子

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