株式会社ホープス
〒107-0062
東京都港区南青山6-12-3
南青山ユニハイツ701号室
- 第二百七十三言「なんで、この仕事をしているかって?それは、仕事の本質が好きだからです」(2009年12月21日号)
- 第二百七十二言「年末年始、体の郵便配達さんを無視しないでね」(2009年12月14日号)
- 第二百七十一言「『十二人の怒れる男』を見て。プロ×プロ=スーパー作品」(2009年12月07日号)
- 第二百七十言「子どもは無限の力を持っている。声がけには気をつけて!」(2009年11月30日号)
- 第二百六十九言「ついに発売決定!、『3年あれば天才は育つ! 親も気づかない才能を「見つける」「引き出す」方法』(経済界)」(2009年11月23日号)
- 第二百六十八言「休憩と遊び。これが業務効率アップの秘訣」(2009年11月16日号)
- 第二百六十七「同窓会幹事の母たち」(2009年11月9日号)
- 第二百六十六言「マイケル・ジャクソンは King of Pop? それ以上です。Godです」(2009年11月2日号)
- 第二百六十五言「過ぎたるは及ばざるがごとし」(2009年10月26日号)
- 第二百六十四言「『装丁家』というお仕事。本に着せる洋服のデザイナー」(2009年10月19日号)
第二百十五言「Nietzscheですか。若者の皆さん、時には哲学いいですよ。」(11月10日号)
皆さん、読めましたか?
Friedrich Wilhelm Nietzsche、ドイツの哲学者ニーチェです。
私は仕事柄、年齢や性別に関わることなく、ハッとするほど優れた人間に出会うことがよくあります。今回私が紹介したい若者は、若干20代前半の田村くん(仮名)。知識豊富で高い応用力を持った、大変賢い学生です。(*「賢い」などと、上目線の発言をしてしまいましたが、野村はこの学生の足元にも及びません。)
田村くんは、現役で東京大学に合格し、現在は、同大学大学院で建築学を学んでいます。競争を乗り越えてこられた人の多くが、つい自分の物指しで周囲の人を計りがちなのですが、彼の場合は、相手にあわせてコミュニケーションが取れる、人間としての「幅」をお持ちです。だからと言って、上辺だけの話しに止まるわけではありません。自分の思想もはっきりとお持ちで、芯が通っています。それでいて、相手の考えを傾聴する心の耳をお持ちです。また、一通りの話しを聴いた上で、互いの共通の思想を瞬時で見つけるスピーディーな思考力もお持ちです。性格もよいのでしょう。話していて、不快な気持ちにさせないのも彼の特徴です。
現役東大生、しかも理系となると、高い時給での受講講師のオファーがあります。しかし、田村くん、塾講師と比較し、時給が、5分の一や、6分の一といった、アパレルや飲食業でのあるバイトも長年してきています。これも、きっとこの人の生き方なのでしょう。バイトは収入目的だけでなく、自分の視野を広げ成長させる上でも重要な役割を果たすことをご存知なのでしょう。
優れた人に出会うと、質問責めにしてしまうのが、野村のクセ。彼にも色々訊ねてみました。
「東大現役、しかも理数系となれば、唯一の回答を求めたくなるのでは?社会経験があるならともかく、つい白黒はっきりさせたくなるのでは。それが、なぜ、周囲の意見を受け入れる人間としての広さや深さをお持ちなのか?」(*要約すると、こんな質問内容でしたが、実際には、もっとカジュアルな会話でした。)
すると、答えが「基本が、ニーチェですから」でした。最近、哲学者の名前など聞く機会のない私は、最初何を意味しているのか分かりませんでした(笑)。「ニーチェって、あのニーチェ?」と聞き返したほど。20代前半の学生から、ニーチェの名前が突然飛び出すとは思っていませんでした。これも彼のユニークさかもしれません。
そこで、私も、何十年ぶりにニーチェ名言集を読み直してみました。いやいや、学生時代には気付きませんでしたが、ニーチェの名言の数々は、心に直接光を放つような、宝石のようでした。名言の数々は、「愛」「野心」「目的」と、様々なテーマ性がありますが、特に私の心に残ったのは、高い目標を持って生きるひとたちへの言葉の数々でした。読み終わった後に、野村の心に特に残ったことを整理すると、以下のようになりました。
■ 高い目標に立ち向かい、業績を上げたとしても、謙虚さを忘れてはならない。
■ 高い目標を達成するなら、まず自らの力で行動を起こすこと。他力本願ではならない。
■ 高すぎる目標などない。高い価値観を持つことを躊躇してはならない。
ニーチェ愛好家の方々からは、そのようには解釈しない、といったご意見も出るかと思いますが、ご了承下さい。あくまでも、野村が感じたことですので。
情報社会に突入し、黙っていても、登録したキーワードで検索されたメールが届く時代に生きる若者の皆様。時には、田村くんのように、哲学者の思想を学び直してはいかがでしょう。思いのほか、「時の人」が、新聞のコラムや取材番組でおっしゃっていることと重なるはずです。
野村るり子
