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第二百二十一言「建築家安藤忠雄先生に学ぶ。リーダーの心得」(12月22日号)

「『あなたの尊敬する建築家は誰ですか?』と入試面接で聞かれたら、ガウディーと安藤忠雄先生のお名前は出してはならない」

 

これは、建築家を目指す、大学・大学院受験生の中で噂になっていることです。言い換えれば、あまりにも多くの人が、ガウディーや安藤忠雄先生に憧れ建築家になるのだから、同じことを話しても個性が出ない、ということです。

 

ガウディーと同様、世界に多くのファンを持つ安藤忠雄先生。先日は、こんな世界トップの先生から、「リーダー」についてのお話を伺うことができました。

 

安藤先生は『住吉長屋』、『光の協会』、『東急東横線渋谷駅』といった国内の建造物だけでなく、『FABRICAベネトンアートスクール』、『バーレン遺跡博物館』、『モンテレイ大学RGSセンター』といった世界各国に著名な建造物を残してこられました。

 

これだけ大きな仕事を手がけていらっしゃるなら、きっと何百、何千という多くの社員を有する大企業をイメージしそうになります。しかし、実際には、僅か27名という少数のコアメンバーで事務所は動いています。

 

では、どうやって、この少ないメンバーで、世界各国に作品を残すことが出来たのでしょう?秘密は、チーム編成にありました。安藤先生は、「現地の専門家たち」とチームを組み、彼らを「パートナー」と呼び、作品に取り組んで来られました。

 

このことは、多くの小規模企業経営者は夢と希望を与えたのではないでしょうか。何百人、何千人、何万人という社員がなくとも、有能なパートナーとコラボレーションすれば、世界一の仕事を成し遂げることができる。しかし、そこになくてはならないのは、リーダーとしての資質です。

 

「リーダー」について、安藤先生がご説明下さったことを、いくつか整理してみました。

n  技術だけは不十分。そこに思いがなければ。

n  独自の哲学、自分の価値観を持たねばならない。

n  パートナー全員が「(この建築物は)私が造った!」と言うのがチームのあるべき姿。

n  頑張る人にだけ「光」が見える。

n  「夢」、「勇気」、「忍耐」、「責任感」。これがリーダーに必要だ。

n  「夢を言葉にする力」を持たなければ人を動かすことは出来ない。

n  どんな壁に直面しても、「なんとかなるだろう!」と言ってきた。

n  小さな仕事が人(部下)を育てる。

 

最後に、一つ。安藤忠雄先生は、部下のかける電話の内容一つ一つをチェックされるそうです。部下の立場としては、大変緊張するものです。また、その内容に、ほんの少しでも問題を感じたら、注意をする。この、一ミリ、一秒、一グラムの誤差も許さない姿勢が、世界最高の作品へと繋がるのでしょう。

 

世界一の作品をつくるリーダー。それは、高い志を持ち、その気持ちを社員やパートナーと共有できる人。そして、最後はチームとして、妥協することなく描いた作品を作りきる人のことなのでしょう。

 

 

野村るり子

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