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第二百二十八言「今の世界経済はタイタニック号。あなたが船長なら全員船に残しますか?それとも、何人か救いますか?」(2009年2月9日号)

Titanic the Musical を観て来ました。

 

隣で観ていた大学院生が、大学院卒業後、起業を考えていることを思い出し、観劇後、ちょっと難しい質問をしてみました。

 

「君だったら女性だけ救命ボートに乗せる?」

「それとも、男女全員一緒にタイタニック号に残る?」

「それとも、女装して、女性と一緒に救命ボートに乗ってしまう?」

 

なんとも究極の選択です。この日、結論は出さずじまいで、私はこの学生とは別れました。

 

実は、この週末、タイタニック号の究極のシーンに似た質問をビジネスパーソンにもしていたところです。

 

「企業は全社員を終身雇用にすべきか否か?」

 

色々な答えがある中、大変印象に残ったのは、ある会社経営者の答えでした。

 

「会社の方針に従える社員は終身雇用をする。方針に従えない人は、終身雇用にはできない。方針に従えない数名を救うために、会社全てが破綻することの方が社会に損失をあたえる」

 

このテーマに対する唯一の答えを出すのは大変難しいです。しかし、大方私も、この会社代表者の意見に賛成でした。私は常に自分に問いかけるようにしています。「会社は誰のもの?」と。

 

「株主のもの?」・・・NO

「社長のもの?」・・・NO

「社員のもの?」・・・NO

「顧客のもの?」・・・YES! 

 

これが私の答えです。この答えが永遠に不変であるとは言い切れません。しかし、この大不況の中、提供しているものやサービスを維持できない状態で、株主、社長、社員を守ることは、エゴイスティックな経営のように思えるのです。

 

では、商品やサービスを維持するためには何が必要でしょう。それは、社員が、会社の指針に従い、同じ方向に向かって走ることではないでしょうか。もし、会社の中に、会社の指針に従うことのできない人がいるなら、その人たちには他の道を選んでもらうしかないでしょう。問題は、会社の指針に従い、同じ方向を向いてきた社員をどのように救うかです。これは、今後、企業と国とが手を取り合って解決しなければならない問題です。

 

さて、最後に、Titanic the Musicalの最後のシーンについて触れておきましょう。船が沈む中で、個々人の思いはそれぞれ異なっていました。

l         主任設計士は自分の設計のミスを悔います。

l         バンドマスターは残った乗船客のために最後まで楽器を弾きます。

l         船長は最後まで幸福であった人生を振り返ります。

l         そして、一等船客の一代で富を築いた大富豪たちは、これまでの人生で直面してきた数々のできごとを、面白おかしく語り合います。

 

最後の最後までプロとしてのプライドを捨てなかった人たちの中に、「未来ある女性と子どもを救う」という船長の意思決定を攻めるものはいませんでした。また、この中の誰が船長であったとしても「全員で沈む」という意思決定はしなかったでしょう。

 

皆さんも、タイタニック号の究極の選択のシーンを思い浮かべながら、あなたならどうするか考えてみて下さい。

 

野村るり子

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