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第二百四十五言「コンビニに行って問題意識を持ち、身近な人を『偉大!』と呼ぶ青年。日本の未来に期待が持てそうです」(2009年6月8日号)

 

最近では、あまり耳にしなかった、嬉しい言葉。

 

「うちの父って偉大だなぁ」(by 19歳の青年)

 

平日は地元で、週末は遠方から新幹線でHOPESに通って勉強する若干19歳の青年がいます。以前から、彼の感性には驚かされるものがありました。

 

「コンビニエンスストアAは、どんな小さな駅の近くにもある。でも、コンビニエンスストアBは大きな駅前にしかないんですよ。」

 

「ここのお店には、Cドリンクを置いている。これは、なかなか見つけることができない商品です。」

 

休憩時間に、飲み物一つ買いに行って、こんな言葉をお土産に戻ってきます。多くの人が見落としている些細なことに疑問を持つ心。これこそが、これからの日本には必要なのではないでしょうか。

 

こんな、彼には将来、優れた経営者に育ってもらいたい、と私は思います。しかし、彼の専門は経営学ではありません。大学卒業時には、国家試験を受ける準備もしています。

 

そこで、私は伝えました。「得意分野で頑張ってもらいたい。でも、道を歩く時は、テキストは読めないだろうから、経営について考えながら、色々なお店を覗いて貰いたい」と。

 

今日は、学科の勉強後、ちょっとだけ経営学について触れてみました。

 

「地価が高い南青山の路面店で、なぜ999円ショップが潰れないのか?客単価数百円のファーストフード店が潰れないのか?」について話し合うことにしました。

 

すると、青年は、ほんの数秒考えては、次々とユニークな考えを口にしました。MBA用語に置き換えれば、「参入障壁を高めている」「ポートフォリオを組んでリスクを分散している」といった内容を、彼の分かりやすい言葉で説明してくれました。MBAで学ぶ専門用語などなくても、経営についてはいくらでも語れるのです。

 

「そうそう、そのとおり!」と何回も私は、彼の考えに賛同しました。そして最後に、彼は言いました。

 

「おれの父って偉大なんだなぁ」

 

実は、彼のお父様は、全国で多店舗展開に成功している成長企業の経営者なのです。時より、この青年が口にする「会社を経営するなら品揃えを日本一にしたい」や「従業員や、その家族を幸せにする会社がいい」といった言葉の背景には、手本となる父親の姿があるのでしょう。幼いころから近くで、父の仕事を見つめ、父と語りあって育った彼は、いつのまにか、MBA取得者顔負けのビジネス感覚を身につけていたのです。

 

私は、このような若者に成功してもらいたい、と心から思います。それは、ビジネスについての感覚が優れているからだけではありません。人前で、どうどうと、「父親が偉大だ」と言える素直な心を持っているからです。このような青年は、きっといつか、偉大な父親と対等に語り合い、日本の産業を変えていくことでしょう。

 

あなたは、コンビニで缶ジュースを一本買った瞬間に、どれだけの問題意識を持ちますか?あなたは、身近な人を「偉大だ」と堂々と言えますか?

 

どんなに不況と言われようとも、こんな青年がいる限り、日本の未来は明るいです。

 

野村るり子

 

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