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第二百六十四言「『装丁家』というお仕事。本に着せる洋服のデザイナー」(2009年10月19日号)

1.       『鉄道員』(浅田次郎 著)

2.       『へヴン』(川上未映子 著)

3.       『トーマの心臓』(森博嗣 著/萩尾望都 原作)

4.       『明日の記憶』(荻原浩 著)

5.       『陰日向に咲く』(劇団ひとり 著)

6.       『白夜行』(東野圭吾 著)

 

以上の書籍の共通点はなんでしょう?

いずれも傑作!いずれもベストセラー!いずれも、野村が書店で衝動買いしたものです。

 

そして、これら全てが、偶然にも鈴木成一(すずきせいいち)氏が表紙のデザインを手がけたもの。

 

鈴木氏の仕事の正式名称は「装幀家(そうていか)」、または、「装丁家(そうていか)」。書籍のカバー、表紙、扉、帯、などのデザインをする専門家です。

 

買いたい書籍のタイトルが分かっている場合は、アマゾンなどのオンラインブックストアを利用する人も多いでしょうが、ぶらっと書店に立ち寄った時などは、インスピレーションで書籍を手にすることはないでしょうか?

 

私が先に挙げた6冊の本を購入した理由も、たまたま立ち寄った書籍のワゴンに平積みになっており、表紙を見た瞬間、

「自分と会いたがっていた」、

「私に読まれるのを待っていた」、

「出会ってしまった」、といった感情が沸いてきたからです。書籍のタイトルとその表紙に惹かれれば、最初の数ページをパラパラ読みます。そして、面白いと感じれば、購買欲がピークに達し、レジに進みます。

 

是非、皆さんも、リストに挙げた6冊のカバーをご覧下さい。きっと「知っている!見たことある!」とおっしゃる方がいるでしょう。

 

次に、装幀家(または装丁家)と、他の芸術家との違いはなんでしょう。それは、書籍の持つオリジナリティーを引き出した上で、その内容を読者予備軍に強くアピールし、その本に手をのばさせるという点ではないでしょうか?

 

私もビジネス書や実用書を書く機会がありますが、自分のように無名の場合、書籍を手にとってもらいたいという思いは切実です。どんなに一生懸命書いたとしても、多くの人が実際に手に取って数ページでも読んでもらわなければ、購入してもらえる可能性は限りなくゼロに近いでしょう。

 

このような思いを込めて、書籍に洋服を着せてくれるのですから、著者は装幀家(または装丁家)に感謝せずにはいられません。

 

皆さんの中には、読書も好き。そして、デザインに勉強もしてきたという方がいませんか?そのような方は、一度、「装幀・装丁」という仕事について調べてみてはいかがでしょう。あなた向けのお仕事かもしれませんよ。

 

野村るり子

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