株式会社ホープス
〒107-0062
東京都港区南青山6-12-3
南青山ユニハイツ701号室
- 第二百七十三言「なんで、この仕事をしているかって?それは、仕事の本質が好きだからです」(2009年12月21日号)
- 第二百七十二言「年末年始、体の郵便配達さんを無視しないでね」(2009年12月14日号)
- 第二百七十一言「『十二人の怒れる男』を見て。プロ×プロ=スーパー作品」(2009年12月07日号)
- 第二百七十言「子どもは無限の力を持っている。声がけには気をつけて!」(2009年11月30日号)
- 第二百六十九言「ついに発売決定!、『3年あれば天才は育つ! 親も気づかない才能を「見つける」「引き出す」方法』(経済界)」(2009年11月23日号)
- 第二百六十八言「休憩と遊び。これが業務効率アップの秘訣」(2009年11月16日号)
- 第二百六十七「同窓会幹事の母たち」(2009年11月9日号)
- 第二百六十六言「マイケル・ジャクソンは King of Pop? それ以上です。Godです」(2009年11月2日号)
- 第二百六十五言「過ぎたるは及ばざるがごとし」(2009年10月26日号)
- 第二百六十四言「『装丁家』というお仕事。本に着せる洋服のデザイナー」(2009年10月19日号)
第二百七十言「子どもは無限の力を持っている。声がけには気をつけて!」(2009年11月30日号)
都バス社内での出来事です。
眼の前に、3歳ぐらいの男の子と、そのお母様と思える女性が一人いらっしゃいました。
男の子は、女性に向かって、たくさん質問をしていました。
「ママぁ、何で今日は、パトロールカーがたくさん走ってるのぉ?」
「ママぁ、どうしてバスの上には、みんな、数字がついてるのぉ?」
・・・
なんでぇ?やどうしてぇ?が永遠に続きそうな、男の子の質問に、この女性は、一生懸命答えていました。分からないことがあると、「ママも考えてみるねぇ」や「ママも調べてみるねぇ」と答えていました。すると、男の子は納得したかのように、「そっか」と言って、次の質問に入ります。
そのうち、男の子は、
「ママぁ、しりとりしようかぁ」と言い出しました。
女性が最初に発した言葉の語尾は、「お」でした。しかし、男の子は、即答を繰り返すものの、彼の口からは「お」で始まる言葉はなかなか出てきませんでした。
「あ」で始まったり、「う」で始まったり、全て「あ・い・う・え・お」の中には含まれているのですが、ニヤミスっ!といった感じです。
女性は「今の『お』じゃないよ。『あ』だったよ」や、「今の『お』じゃないよ。『う』だったよ」と、何回も、何回も答え、男の子が自力で「お」のつく言葉を見つけるまで待っていました。
そして、児童館の前の停留所で、手をつないで降りていきました。
この光景を拝見していて、私は拍手をしたい気持ちになりました。100点満点の子育てママです。子どもの「なぜ」に答える。自分が分からない時は、その事を認め、子どもがどんなに小さくても相手を尊重し「調べるね」と説明をする。こんな素敵なお母様に育てられた男の子は、将来どんどん成長して行くでしょう。
一方、とっても残念な光景を電車の中で目にしました。
こちらは、3歳ぐらいの女の子とそのお母様と思える、女性です。活発な女の子は、女性が見つけた電車のシートに座らず、どうしても立っていたかったようです。脚も強そうでしっかりしているので、そのまま立たしておいてもよいな、と私は思って見ていました。すると、そのうち、耳を覆いたくなるような女性の声が聞こえてきました。
「言うこと聞かないと殴るよ!」
「親の様子伺うのもいい加減にしなよ!」
・・・
あげくの果てには、子どもの脇をつかみ、投げるように、電車のシートに座らせました。
「あんたと一緒にいるのが苦痛。ママはあんたと一緒にいるのが苦痛。分かるかぁ!」と怒鳴りました。
今回の二つの光景。どちらも3歳ぐらいのお子様です。みんな、無限の力を持ったダイヤモンドの原石です。このお子様の才能を磨くも磨かないも、大人たちの声がけにかかってきます。
これらのお子様たちの10年後を考えてみて下さい。質問に丁寧に答えてもらえ、一緒に考えてもらえ、自分で答えを見出すまで待ってもらえた子どもは、明るく素敵な青年へと成長していくことでしょう。
一方、母親に、「殴るよ!」と脅されたり、「一緒にいるのが苦痛」と言われたりして育ったお嬢さんは、10年後どうなっているでしょう。よほど、よい出会いでもない限り、母親と同じような言語を使い、自分より力のない人を探しては、罵倒するかもしれません。また、自分の存在意義が感じられないまま、大きくなるのではないでしょうか。しかも、本日もそうであったように、眉間にしわを寄せた表情で生きていくのではないでしょうか。
私が『3年あれば天才は育つ!』の中でも書いた通り、子どもは無限の才能を秘めています。その才能を引き出すか否かは、周囲の大人たちにかかっていると思います。
子どもたちには、親を選ぶ権利がないのです。ですから、母親たちは、せっかく出会えた子どもの存在に感謝し、愛情を持って、子どもたちを受け止めてもらいたいと思います。この気持ちを、10年間持ち続けたなら、きっとあなたには、大きな贈り物が届くでしょう。
その贈り物とは、10年後に、大きく大きく成長した、子どもの姿です。
野村るり子
