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第二百七十八言「アメリカの経営をただ真似するのでは不十分だった」(2010年1月25日号)

 

10年以上もお世話になっている、髙木晴夫先生(慶應義塾大学ビジネススクール松下幸之助基金教授)の基調講演を拝聴してきました。

 

講演のテーマは『戦略ビジョンを実現する自立組織とは~人ベース組織と仕事ベース組織~』

 

春過ぎには、大手出版社から学術書として出版が決定している大変貴重な内容を、今の時点で伺うことができました。

 

そこで、本日は、特に印象的だった個所について簡単に紹介させて頂きます。

1980年~1990年初頭、日本の企業は「ピラミッド型」の階層で形成されていた。それが、ある時「フラット型」の組織形態を導入することでコストダウンに成功する米系企業の事例を真似て、日本でも「フラット型」を導入した。

 

「フラット型」とは、各部署に優秀なリーダーやメンバーを採用し、目標設定や予算管理までさせるというもの。

 

それが、今になって問題点が発覚してきた。それまで終身雇用制度に慣れていた日本企業に、アメリカ方式をそのまま導入しても、同様の結果が得られなかった。アメリカ式のフラット型で、成果主義の組織構造で実績を上げた企業が全くなかったわけではない。しかし、その影で多くの日本企業が力を失っていった。

以上が、髙木教授のお話の中で、野村の心に残った部分です。

 

この話を聞いて私は、「模倣は決してオリジナルにはかなわない」というベラ・カロリーの言葉を思い出しました。

 

ベラは、ルーマニアでオリンピック金メダリストを育てた後、アメリカに亡命し、わずか4年で、アメリカ人の選手を金メダリストへと育て上げた名体操コーチです。彼は、ルーマニアの方法をそのままアメリカに導入しても成功しない。アメリカの文化を理解した上で、アメリカの文化にあった方法を導入した、と言います。

 

私が、アメリカで学んだスポーツのコーチングをそのまま日本で導入し、結果が得られなかった時も「るり子、日本がオリンピックや世界選手権で結果を残せていないのは、技術的な問題ではない。日本の文化にあったシステムの構築が求められている」ということを、今度は、ベラの妻であるマルタに教えられました。

 

海外の事例から何かヒントを得て未来に活かすことには、意義があるでしょう。しかし、ただそのまま真似をするだけでは、結果に繋がりません。結果に繋がらないだけではなく、髙木教授のお話の中にもあった通り、以前より力を失ってしまうこともあります。

 

今後、皆さんが、事例研究を元に、新しい方針を考えたい場合は、まず最小に、そこにある文化や歴史を理解することからはじめて下さい。

 

野村るり子

 

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