株式会社ホープス
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第二百九十一言「個人主義vs集団主義。主義の違いがわかれば、どこでもサバイブできる!」(2010年4月26 日号)
なじみのコーヒーショップに入ると「やぁ、野村さん!」と世界で活躍するビジネスマンの知人が声をかけてきました。
彼の横には、イギリスでのサッカー留学経験をお持ちのビジネスマン。
その隣には、ドイツ留学経験のある大学生。
そのまた隣には、日本で活躍する中国人のビジネスウーマン。
ほんの小さなテーブルは、一瞬にして、日本、イギリス、ドイツ、中国、といったいくつもの文化的背景を持った人間がつくりだす、グローバルワールドと化しました。そこで、私は全く違和感を覚えることがありませんでした。
なぜでしょう?
それは、そこにいた全ての人間が、互いの文化を尊重しあっていたからです。彼らはみな、国籍を語る前に、優れた"国際人"だったのです。
私が信じる『優れた国際人』とは、
人の主義主張を受け入れる寛容性があり、それでいて、人の意見に流されることなく、自分の意見を根拠もってわかりやすく相手に伝えることのできる人。
そこで、本日は、国際人を目指す方のために、代表的な異なった主義を二つ紹介することにしました。
個人主義VS集団主義
個人主義とは、個人の特性や業績を持って自身の価値を主張します。さらに、個人主義の人間は、個人の幸福を第一に考え、集団で得られる幸福は、その次に考えます。
一方、集団主義とは、個人を評価するにも、集団の中の一人として捉えます。例えば、自分の価値を主張する場合は、「著名な一族に属している」や、「ある著名な団体に属している」といったことを、自分の価値の一部として考えています。また、個人の幸福の前に、集団の反映を最優先に考えようとします。
集団には大きく分けて二つあります。ひとつは、家族や組織といった、横に広がりを持つもので、もうひとつは、先祖や子孫といった、縦に広がりを持つものです。
個人主義の代表する国家としては、アメリカを挙げられます。アメリカは、ほんの数百年で、移民によって急速に発展を遂げた国です。ここでは、個人が人所に留まることは少なく、容易に移動を繰り返す傾向にあります。彼らは、短時間で人間関係を構築することには長けていますが、築き上げた関係を永続的と考えることはあまりありません。
集団主義を代表する国家としては、日本や中国を挙げることができます。これらの国では、調和や統一といったものが重視されます。これらの文化においては、集団に対する忠誠心の無い者や和を乱す者は、集団の統一性を図る上で障害と考えられ、追放を余儀なくされることがあります。
集団主義と個人主義は、意思決定するプロセスにおいても大きな違いがあります。
例えば、個人主義であるアメリカでは、個人が意思決定を行うため、大変迅速に結論を出すことができます。しかし、決定した行動を開始した後も、反対意見を持つ者が出てきたら、その人を説得しない限り、先に進むことはできません。
一方、集団主義の日本では、全員の同意を得てから結論とするため、意思決定のプロセスには長い時間がかかります。しかし、一旦、決定したことが覆されるとことは滅多にありません。しかし、全員の同意を得て決定づけた結論を臨機応変に変更することはできません。
どうですか、これらの二つの主義の違い、ご理解頂けたでしょうか?
今後は、異なった考えを持った方と出会ったら、対立をする前に、互いの主張を理解しあってみてはいかがでしょう。そんな姿勢を持つだけで、あなたも、立派な国際人としての一歩を踏み出すことができます。
野村るり子
第二百九十言「主義・主張の異なりを理解する」(2010年4月19日号)
皆さんは、「群盲象を評す」という例えばなしをご存知でしょうか?
これは、これまで象の全体像を見たことのない6名の法師が、自分の解釈で「象とは~」と語り合うたとえ話です。
実は、この話は、15歳で渡米し、異文化の狭間で迷いに迷っていた時、出会ったものです。もしこの話とであっていなかったら、きっと私は他者の主義や主張を聴く慣用性も、またそれらの中から真実を見極める客観性も持つことが出来なかったでしょう。
まずは、そんな貴重な話を聴いて下さい。
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「群盲象を評す」 6名の法師のうち、一人目は大きな耳に触れて言いました。 「像とは、大きな扇子のような動物です」 すると、二人目の法師は、長い尻尾に触って言いました。 「いえいえ、象とは、縄のような長い動物です」 すると、三人目の法師は、太い鼻に触って言いました。 「いえいえ、象とは、太い蛇のようなものです」 すると、四人目の法師は、牙を触って言いました。 「いえいえ、象とは槍のようなものです」 すると、五人目の法師は、太い足に触れて言いました。 「いえいえ、象とは大きな木のようなものです」 最後に、六人目の法師は、横腹に触って言いました。 「みんな間違っています。象とは壁のようなものです」 これら6人全員は、自分が触れた、たった一部の事実を信じ、「これが唯一の真実」と言ったとさ。 お わ り |
この例え話から、私が学んだことは、個々人の主義・主張は100%誤ったものではない。しかし、他者の主義・主張を否定して、自分の主張を押しつけることは愚かである。同じ事象に対し、異なった見方をする人と出会ったら、一歩下がって遠目から物事を見直したり、角度を変えて見直したりする。この作業が大切であるということです。
物事を総合的に捉えるには、客観性が求められます。人の意見を受け入れるには寛容さが求められます。複数の見解から、真実を見出すには、分析力が求められます。
まずは、自分の主義や主張が唯一の正解ではないかも、と疑問を持つことが、最初の一歩かもしれません。
野村るり子
第二百八十九言「人の心を動かす作品をつくるための5原則」(2010年4月12日号)
滅多にTVをリアルタイムで見ることのない私が、三谷幸喜作の『わが家の歴史』(フジテレビ、4月9日~11日)は、全神経を集中させて見ました。そのぐらい、三谷幸喜氏の作品からは学ぶものが多いと感じています。
まず、三谷氏が一つひとつの言葉を大切に扱っていることは、どの作品からも伝わってきます。ユーモアに富んだ演出には、ブラックジョーク的な嫌味は全くなく、心温まるものばかりです。セリフには、一文字の無駄もありません。おそらく語彙を選択する段階から、語彙の並べ替えに至るまで、手抜きがないからでしょう。
三谷氏の作品には、聴衆を無理に笑わせたり泣かせたりという"無理強いさ"が感じられません。本来誰もが持っている、が忘れている感情を一瞬で引き出す力があります。これは、彼自身が感情豊かに生きてくる過程で得たものでしょう。
三谷氏は、まだ40代という若さです。しかし、その決して長くはない人生において、「自分の好き」なことに、とことんのめり込んだ人生を送っています。
幼少期から、テレビに深い興味を示し、『刑事コロンボ』といった外国ドラマや『ドラえもん』、『パーマン』といったテレビアニメ、『ポンキッキーズ』『おはスタ』などの児童向け番組に至るまで、徹底して見てきています。また、ただ見るというのではなく、それぞれのセリフを暗記するほど深く観察してきました。さらに、歴史に対する興味は、テレビのそれと同様の深さがあります。
この「好きなこと」を仕事に返還する上で役立ったのは、日本大学藝術学部演劇学科での勉強です。最初は役者希望で入学しましたが、大学教授のポリシーに合わず、役者の道を退くことになりました。しかし、そのお陰で劇作家・脚本家・映画監督三谷幸喜が生まれたわけです。
台本と同じぐらい三谷作品で目を見張るのは、キャスティングです。視聴者の心を掴み、揺さぶり、笑いや涙を誘う演技ができる、一流どころの俳優が、総動員します。これは、キャスティングの段階で、俳優に頭を下げお願いするという構図から、「この作品になら出てもいい。出たい」と俳優に思わせる、ブランド力です。
これまでに、起用された俳優の名前を見て下さい。本来なら、彼らの一人か二人が起用されるだけでも、驚くほどの実力派です。
山本耕史、山本太郎、篠井英介、柴咲コウ、緒形拳、小松政夫、小林聡美、小林隆、松金よね子、松本幸四郎、松本潤、西村雅彦、西田敏行、石井正則、石橋貴明、石坂浩二、大泉洋、中村勘太郎、仲本工事、長澤まさみ、津川雅彦、鶴田真由、天海祐希、田村正和、渡辺謙、筒井道隆、藤原竜也、藤村俊二、梅野泰靖、八嶋智人、飯島直子、富司純子、堀北真希、役所広司、鈴木京香、鈴木保奈美、榮倉奈々。
では、ここで、三谷幸喜作品を通して得た教訓を整理しましょう。
人の心を動かす作品をつくりには・・・
1. 自分が好きなことにのめり込む。
2. 好きなことを仕事にする。
3. 一つひとつの作業工程を大切にする。手抜きをしない。
4. 過去に培った経験を「強み」として仕事で生かす。
5. お願いされるだけのブランド力を持つ。(これは、1~4の結果です)
きっと、皆さまの中にも、私のように三谷幸喜作品から多くを学ばれた方は多いことと思います。
野村るり子
第二百八十八言「プライドを持って働く」(2010年4月5日号)
ここのところ、出張が続いていた私は、百貨店にある「靴下屋」に駆け込み、販売員の方に早口で、訊ねました。
「ちょっと洗濯したぐらいでは'伝線'しない(丈夫な)商品は、どこにありますか?」
この質問に対し、販売員の女性は迷う様子なく答えました。
「そのような商品はうちには置いていません」
この答えが意味するのは、
「ちょっと洗濯したぐらいで穴があくような、品質の悪い商品は扱っていない」ということだったのでしょう。
「靴下屋」は、靴下の企画、製造、販売を総合的に行っているタビオ株式会社の靴下専門店です。タビオ株式会社は、安価に製造できる海外で生産するのではなく、生産から販売まで、全てを国内で管理しています。日本国内の百貨店だけでなく、海外の高級百貨店でも認められています。
タビオ株式会社は、時代に対応した経営でも知られています。「いい靴下を作れば売れる」という創業者、越智直正氏の考え方に基づき、「よい製品づくり」に力を入れ、売上を高めた時期もあります。しかし、この旧体制で売上が頭打ちとなった後は、息子の越智勝寛氏が生産から販売までのサプライ・チェーン・マネジメント(生産、在庫管理、販売までをトータルで管理する)を試み、会社を立て直しました。現在の年商は、単体で約140億、連結決算では146億。「靴下の神様」とまで呼ばれるまでになりました。
このように、直正氏による管理システムが成功の鍵を握っていたのは確かです。しかし、その根底には、創業者の「高品質の製品づくり」の思いがありました。
「丈夫な製品はどこに陳列されていますか?」
このような質問は、この専門店においては愚問であったのでしょう。なぜなら、そこには、丈夫な製品しか扱っていないのですから。
私は、この販売員の態度を、「客への応対としては、少し横柄だなぁ」と感じながらも、会社を経営する立場としては、大変羨ましくも感じました。
どのショップに立つ販売員も、「このショップの製品は全て丈夫」と言いきれるだけの自信を持っているからです。
自分の会社に置き換えて考えてみました。私は、クライアントさんから「(HOPESの)どの講師がお勧めですか?」と訊ねられれば、迷わず答えるでしょう。
「弊社に登録している320名の講師は、全て優れています」と。
しかし、弊社に務める従業員全てが、そこまで言い切ってくれるかは分かりません。これが、今後私が、挑戦していかなければならないことです。
■企業理念に矛盾のない経営を継続する。
■従業員全員が、企業理念を理解し、理念と経営に矛盾がないことを確信する。そして、
■従業員が、いつも迷いなく企業理念を顧客に向けて発信できる。
ここまで持っていければ、創業者が退いた後も、その会社は力を衰えることなく、強く生き続けることができるのでしょう。
野村るり子
