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第二百九十言「主義・主張の異なりを理解する」(2010年4月19日号)

皆さんは、群盲象を評す」という例えばなしをご存知でしょうか?

 

これは、これまで象の全体像を見たことのない6名の法師が、自分の解釈で「象とは~」と語り合うたとえ話です。

 

実は、この話は、15歳で渡米し、異文化の狭間で迷いに迷っていた時、出会ったものです。もしこの話とであっていなかったら、きっと私は他者の主義や主張を聴く慣用性も、またそれらの中から真実を見極める客観性も持つことが出来なかったでしょう。

まずは、そんな貴重な話を聴いて下さい。

 

群盲象を評す」

 

6名の法師のうち、一人目は大きな耳に触れて言いました。

「像とは、大きな扇子のような動物です」

 

すると、二人目の法師は、長い尻尾に触って言いました。

「いえいえ、象とは、縄のような長い動物です」

 

すると、三人目の法師は、太い鼻に触って言いました。

「いえいえ、象とは、太い蛇のようなものです」

 

すると、四人目の法師は、牙を触って言いました。

「いえいえ、象とは槍のようなものです」

 

すると、五人目の法師は、太い足に触れて言いました。

「いえいえ、象とは大きな木のようなものです」

 

最後に、六人目の法師は、横腹に触って言いました。

「みんな間違っています。象とは壁のようなものです」

 

これら6人全員は、自分が触れた、たった一部の事実を信じ、「これが唯一の真実」と言ったとさ。

 

 お わ り

 

この例え話から、私が学んだことは、個々人の主義・主張は100%誤ったものではない。しかし、他者の主義・主張を否定して、自分の主張を押しつけることは愚かである。同じ事象に対し、異なった見方をする人と出会ったら、一歩下がって遠目から物事を見直したり、角度を変えて見直したりする。この作業が大切であるということです。

 

物事を総合的に捉えるには、客観性が求められます。人の意見を受け入れるには寛容さが求められます。複数の見解から、真実を見出すには、分析力が求められます。

 

まずは、自分の主義や主張が唯一の正解ではないかも、と疑問を持つことが、最初の一歩かもしれません。

 

野村るり子

 

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