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株式会社ホープス
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第二百八十八言「プライドを持って働く」(2010年4月5日号)

ここのところ、出張が続いていた私は、百貨店にある「靴下屋」に駆け込み、販売員の方に早口で、訊ねました。

 

「ちょっと洗濯したぐらいでは'伝線'しない(丈夫な)商品は、どこにありますか?」

 

この質問に対し、販売員の女性は迷う様子なく答えました。

「そのような商品はうちには置いていません」

 

この答えが意味するのは、

「ちょっと洗濯したぐらいで穴があくような、品質の悪い商品は扱っていない」ということだったのでしょう。

 

「靴下屋」は、靴下の企画、製造、販売を総合的に行っているタビオ株式会社の靴下専門店です。タビオ株式会社は、安価に製造できる海外で生産するのではなく、生産から販売まで、全てを国内で管理しています。日本国内の百貨店だけでなく、海外の高級百貨店でも認められています。

 

タビオ株式会社は、時代に対応した経営でも知られています。「いい靴下を作れば売れる」という創業者、越智直正氏の考え方に基づき、「よい製品づくり」に力を入れ、売上を高めた時期もあります。しかし、この旧体制で売上が頭打ちとなった後は、息子の越智勝寛氏が生産から販売までのサプライ・チェーン・マネジメント(生産、在庫管理、販売までをトータルで管理する)を試み、会社を立て直しました。現在の年商は、単体で約140億、連結決算では146億。「靴下の神様」とまで呼ばれるまでになりました。

 

このように、直正氏による管理システムが成功の鍵を握っていたのは確かです。しかし、その根底には、創業者の「高品質の製品づくり」の思いがありました。

 

「丈夫な製品はどこに陳列されていますか?」

このような質問は、この専門店においては愚問であったのでしょう。なぜなら、そこには、丈夫な製品しか扱っていないのですから。

 

私は、この販売員の態度を、「客への応対としては、少し横柄だなぁ」と感じながらも、会社を経営する立場としては、大変羨ましくも感じました。

 

どのショップに立つ販売員も、「このショップの製品は全て丈夫」と言いきれるだけの自信を持っているからです。

 

自分の会社に置き換えて考えてみました。私は、クライアントさんから「(HOPESの)どの講師がお勧めですか?」と訊ねられれば、迷わず答えるでしょう。

 

「弊社に登録している320名の講師は、全て優れています」と。

 

しかし、弊社に務める従業員全てが、そこまで言い切ってくれるかは分かりません。これが、今後私が、挑戦していかなければならないことです。

 

企業理念に矛盾のない経営を継続する。

■従業員全員が、企業理念を理解し、理念と経営に矛盾がないことを確信する。そして、

■従業員が、いつも迷いなく企業理念を顧客に向けて発信できる。

 

ここまで持っていければ、創業者が退いた後も、その会社は力を衰えることなく、強く生き続けることができるのでしょう。

 

野村るり子

 

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