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第二百九十六言「社会企業家の勧め」(2010年5月31日号)

3年間音信が途絶えていた教え子から電話がありました。

彼女は若干20代半ば。年商数十億の事業展開をする夫と二人の子供に恵まれ、ご自身もデザイナーズブランドを持つスーパーウーマンです。

このように、日々安定した生活を送る中で、「自分が、今やりたいことは?」と考えたら、答えが"社会貢献"だったのです。

マズローは、人間の基本的欲求を下の階層から、

1.生理的欲求、2.安全の欲求、3.所属と愛の欲求、4.承認の欲求、5.自己実現の欲求、と上り詰めた先に見えた答えであったようです。

しかし、彼女がいくら純粋に社会貢献活動を非営利で行いたいと言っても、周囲は合理的理由があるに違いないと、彼女の動機を疑いました。節税対策ではないか?売名行為ではないのか?と。

そこで、彼女は、「1円の利益も得ずに社会貢献をしたい」と相談してきたのです。

私は彼女を子どもの頃から知っていますが、中学・高校時代から募金活動や献血運動に力を入れる少女でした。ですから、彼女を知る人は、不純な理由など一かけらもないことを知っています。ですから、「非営利」にこだわる必要もないと思うのです。

 

むしろ彼女には、「社会起業家」になってもらいたいと思います。彼女は子育てを通して得た「食育」の知識や、ワーキングマザーとして得た「ワークライフバランス」の知識を世に広める力を持っていますし、彼女の書くブログには1日数千人のリーダーを動かす力があります。彼女の手腕を生かし、十分な利益を得た上で社会貢献の輪を広げていってもらいたいと思います。

さらに、著名な夫を持つ妻や、著名な子どもを持つ母が、あえて顔を隠す必要はないでしょう。仮に、スタートラインにおいて、夫や子供の名前が優位に働いたとしても、社会貢献を継続できるのは、本人に真摯な姿勢があるからです。

 

私は、こんな彼女を心から応援します。プライバシーをお守りするため、個人のお名前は伏せさせて頂きました。ご了承下さい。

野村るり子

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