株式会社ホープス
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スタッフレポート103 「雨の日に思う『江戸しぐさ』」
梅雨の季節となりました。ときとして豪雨で被害をもたらすこともありますが、農家にとっては「恵みの雨」、秋の実りのためになくてはならない季節のひとつです。
雨といえば、私は「傘」を連想します。そして傘から連想する言葉は「傘かしげ」。ご存知ですか?雨の日に傘をさして人とすれ違う時、お互いが自分の傘をすれ違う相手とは反対に傾けて、自分の傘のしずくが相手にかからないようにするという配慮のことをそう呼びます。いわゆる「江戸しぐさ」のひとつです。「江戸しぐさ」は、江戸の町民が生活していく上での知恵であり、粋なマナーでもあり暗黙のルールでもありました。
「傘かしげ」の傘のないバージョンが「肩引き」。人ごみですれ違いざまにお互いが肩を引いて身体を斜めにして通り過ぎることです。ラッシュ時の駅の構内で、道端で、まともにぶつかっている人を多くみかけますが、「肩引き」すればぶつからないで済むのに。
もうひとつ、「腰浮かし」。長椅子に座っている人たちが、一人ずつ順々に腰を浮かして少しずつ詰め、もう一人座れるだけのスペースを作ることです。電車でよく見かける、7人掛けのシートに6人で座っている風景を思い出してください。もう少し大きなスペースが空いていれば座れるのになぁ、疲れているからといってあの小さなスペースに無理やり座って「ふてぶてしいオバタリアン」と後ろ指さされるのは嫌だわ、「腰浮かし」して詰めてくれないかしら...と一瞬ソワソワしてしまう私です。
このような江戸しぐさの行為を見かけたことはありませんか?あるいはすでに自分自身がやっているという方もいらっしゃるかもしれませんね。小さな親切というか、それ以前の問題として、他人を思いやる気持ちが少しでもあれば当然のこと、とも思われます。ほんのちょっとの気遣いではないでしょうか。また、自分がその行為をした時、あるいはされた時、「ありがとう」の言葉や会釈があると気分がいいものです。
殺伐として自分のことで精いっぱいの人が多い現代だからこそ、「ちょっとの気遣い」が自然にできるようになりたいものです。そして、皆がそう心がけるようになれば、もう少し明るい世の中になるかもしれないと思うのは大げさでしょうか。
梅雨のある日、そのようなことを考えました。
(レポーター:榊原理美)
