「中学の部活動、週休2日に」から考える

様々なアスリートを指導する立場におられる、指導者や親御さんへ

スポーツ庁が、1月16日に「中学校の運動部の活動時間について、平日は2時間、土日は3時間以内とし、週2日以上の休養日を設ける指針案を公表」した、というニュースがありました。

「短時間で効率的な練習を促すことで生徒のけがを予防し、勉学など部活以外の機会を確保。顧問教員の負担も減らす。3月に正式な指針をまとめる。」とのことです。

これは、「若年層のスポーツトレーニング時間に対する指針」ではなく、「学校部活動に対するもの」であるという点について履き違えることなく受け取らなければならないと思います。

その前提に立った上で、私はこの流れは非常に興味深いなと感じています。

近代スポーツの草創期から続いてきた、

「”根性論”がまかり通るスポーツ指導のあり方」
「練習量の”多さ”を正義とするかのような指導のあり方」

が見直されざるを得ないと感じます。

繰り返し申しますが、アスリートは、今後、頭を使う力を鍛えないと、世界で勝てなくなるのです。
そのために必要なのが、アスリートの知力の強化なのです。

部活動の日数や時間数に上限ともいえる指針を設けることが、「許された練習時間をよりハードに、より過負荷なものに」するような流れを生んではいけません。

この機を活かして、「頭を使うアスリート」の育成に舵を切るべきです。

為末大さんは、ご自身のTwitterで次のようにつぶやいておられました。

「高校も適用した方がいい。おそらくチームの順位が入れ替わり、それによってどのチームが良い指導をしていたかが明らかになる。」

学校部活動における、スポーツの「良い指導」とは何かを考える絶好の機会です。

恫喝や威嚇によって、有無を言わせず生徒に身体的にも心理的にも重い練習を強いて、学校の名声や受験者数への影響を盾にそれを長期に続けること、それを行える指導者が、「良い指導」をしている「良い指導者」であるとは、私は思いません。

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